匠の技

組子とは

組子とは飛鳥時代から長い年月をかけて磨き抜かれてきた木工技術で、釘を使わずに木を組み付ける技法です。細く引き割った木に溝・穴・ホゾ加工を施しカンナやノコギリ、ノミで調節しながら1本1本組み付けます。職人たちの伝統を守る心と情熱により、何世代にも渡って現代まで引き継がれてきました。

組子のしくみ

組子は「地組」と「葉組子」を組み合わせて作ります。その組み合わせによりできるデザインパターンは数百以上にもなります。

葉組子を埋め込むための枠組み「地組(じくみ)」には3種類あります。

縦・横を
90度に組むもの

縦・横を
30度に組むもの
(菱組み)

縦・横を
30度に組み
さらに縦を入れたもの

「葉組子」は模様・色・形を表現します。地組で仕切られた中に色々な形の組子を埋めていきます。主な技法としては、麻の葉・二重麻の葉・ゴマガラ・変わり麻・桜亀甲・八重麻の葉で、全部で約48種類あります。

麻の葉

いちばん多く使われているのが麻の葉で、植物の麻の葉の形を組み合わせた着物の染め模様を表しています。

二重麻の葉

麻の葉の組子を三方から入れた模様で、外側の組子と中央の麻の葉からできており、葉が二重になっています。

胡麻幹(ゴマガラ)

織物の模様をかたどった組子で、これを地組みの三角形にはめ込んで作ります。

変わり麻

二重麻の葉の中央を、麻の葉の代わりに三角形を入れた模様です。

桜亀甲

中心に亀甲の芯を入れた麻の葉の変形模様です。

八重麻の葉

麻の葉が八重模様になっています。

組子の作り方

基本的な「麻の葉」の作り方をご紹介します。

1

木片を両端を60度の角度になるようカンナで削り、
紙一重で切れ目を入れ、120度になるよう折り曲げる。

2

もう1つの木片の両端を60度の角度になるようカンナで削る。

3

2つの木片を組み合わせる。

4

地組の中へ組み込む。

5

完成。